あらすじ

人類は巨大なクレーターの底で目覚めた。

そこら中に屹立する不可解な風車と、おかしくなった生き物たちの中で100万年を過ごし、数十個の文明が繰り返された。

止まらない風車は、くるりくるりと見ていた。

石器時代を経て都市国家が生まれ、何度もの争いを経て産業革命に至る。そうしていつの間にか滅ぶ。

誰もクレーターの外に出る力はない。

滅んだものたちの残滓を風車は吸った。

風車は何も考えてはいなかった。

ただ、頭の真ん中にぽっかりとあいた大きな穴で、じっと見ていた。

今度の文明では、風車はゼルベナ楼と呼ばれ、崇められていた。

また産業革命が起こり、蒸気機関が生まれ、内燃機関が生まれ、空を飛び、電気を理解し、電算機を作り出し、無線通信を知った。

 

 

次に手に入れたのは、風車の回転だった。